top of page

「相談支援にも処遇改善加算が使えるようになった」まだ間に合う、計画相談支援・障害児相談支援の経営者が今すぐ確認すべきポイント

  • 5月23日
  • 読了時間: 5分

今回の処遇改善加算の要件は計画相談支援・障害児相談支援・地域相談支援のサービス区分とそれ以外で若干要件が異なります。 その違いは計画相談支援・障害児相談支援・地域相談支援サービス事業所の経営者にとっては重要です。

改めて説明します。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

【目次】

1. なぜ今回、相談支援に処遇改善加算が新設されたのか

2. 計画相談支援等の処遇改善加算要件の抑え方は2ルート

3. 届出の期限と手続きのポイント

4. 経営者として今すぐやるべきこと

5. まとめ

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

1. なぜ今回、相談支援に処遇改善加算が新設されたのか

 

計画相談支援・障害児相談支援・地域相談支援は、長年にわたって処遇改善加算の「対象外」でした。放デイや児発、グループホームなど他の障害福祉サービスで広く使われてきた加算が、相談支援には適用されてこなかったのです。

そのため、相談支援専門員の処遇は他の障害福祉職員に比べて改善が遅れており、「なり手が少ない」「辞めていってしまう」という声が業界全体の課題として挙がり続けていました。

 

今回の令和8年6月施行の臨時改定(期中改定)で、ようやくこの3サービスへの処遇改善加算が新設されたというわけです。(出典:厚生労働省・こども家庭庁 令和8年度障害福祉サービス等報酬改定における改定事項)。

 

相談支援専門員の確保と定着に悩む経営者にとって、この改定は大きなチャンスです。

 

2. 計画相談支援等の処遇改善加算要件の抑え方は2ルート

 

加算率は一律5.1%です。

他のサービスのように区分分けはありません。

シンプルな構造のため、計算はしやすいと言えます。

 

【取得要件1:「加算Ⅳに準ずる内容」】

 

取得要件は既存の処遇改善加算Ⅳに準ずる内容とされており、以下の3つをすべて満たすことが求められます(出典:厚生労働省・こども家庭庁 令和8年度報酬改定資料)。

 

① キャリアパス要件Ⅰ

  職位・職責に応じた任用要件や賃金体系を就業規則等に定めること

 

② キャリアパス要件Ⅱ

  資質向上のための研修の実施や、外部研修の参加機会を確保すること

 

③ 職場環境等要件

  職場における環境の改善に向けた複数の取組を行うこと

 

「うちはまだ要件が整っていない……」という事業所でも安心してください。

令和8年度中は「要件を整備することの誓約」で算定が可能とされています

ただし、令和8年度の実績報告書で対応が確認できない場合、加算額の一部または全部の返還を求められる可能性があります)。

「誓約したから終わり」ではなく、年度内に着実に整備を進めることが重要です。

 

【取得要件2:令和8年度特例要件の実施または誓約】

 

もう一つのルートとして「令和8年度特例要件」があります。これは、生産性向上に関する取組を5項目以上実施すること(「現場課題の見える化」と「業務支援ソフト・情報端末の導入」は必須)または社会福祉連携推進法人への所属が要件です。

 

3. 届出の期限と手続きのポイント

 

【提出期限は2パターン】

 

相談支援事業所の届出期限には、所属する法人がすでに他サービスで処遇改善加算を算定しているかどうかで異なる2つのパターンがあります。

ただし、自治体により通知解釈が異なる可能性がありますので正しい内容は各自治体へご確認ください。

 

<パターンA>すでに他サービスで処遇改善加算を算定している法人が、

新たに相談支援サービスを追加する場合

→ 提出期限:令和8年4月15日(令和8年4月算定開始分)

 

<パターンB>相談支援サービスのみが所属する法人など、

令和8年4・5月分を申請しない事業者が令和8年6月以降に申請する場合

→ 提出期限:令和8年6月15日(令和8年6月算定開始分)

 

どちらのパターンに該当するか、まず自法人の状況を確認しましょう。

 

【提出書類】

 

・処遇改善計画書(別紙様式2):Excelファイルで作成(最新版を使用)

・就業規則や研修計画など、キャリアパス要件に関連する書類(自治体により異なる)

・令和8年度中対応の誓約書(対応が未整備の場合。自治体により異なる)

 

提出方法は自治体によって電子申請・郵送・持参と異なるため、管轄窓口に必ず確認しましょう。

 

4. 経営者として今すぐやるべきこと

 

今回の加算新設を「手続きが増えた」ととらえるのではなく、「相談支援専門員の処遇を改善できる機会が生まれた」と前向きに活用しましょう。

 

【今すぐ取り組む3つのアクション】

 

① 法人の状況確認と提出期限の把握

 自法人が他サービスで処遇改善加算を算定しているかを確認し、どちらのパターンで届出をするか決める。

 

② キャリアパス要件の棚卸し

 就業規則に「職位・職責に応じた賃金体系」が定められているか確認する。

 なければ、令和8年度中に整備することを計画し、計画書に誓約として記載する。

 

③ 職員への説明と賃金配分の方針決定

 相談支援専門員に「令和8年6月から処遇改善加算が使えるようになった」「どのような形で配分するか」を伝える。透明性のある配分が職員の信頼と定着につながります。

 

放デイ・児発と相談支援を兼営している法人の場合は、サービスごとに加算率が異なるため、配分計画の計算をより丁寧に行う必要があります。計画書の記載に不安がある場合は、行政書士など専門家に相談することも選択肢の一つです。


 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

【まとめ】

令和8年6月から計画相談支援・障害児相談支援・地域相談支援に処遇改善加算(加算率5.1%)が新設されました。要件はキャリアパス要件Ⅰ・Ⅱ+職場環境等要件で、令和8年度中は誓約での算定が可能です。(ただし実績報告が必要です)

相談支援専門員の処遇改善を実現する絶好の機会として、ぜひ前向きに活用してください。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

bottom of page